戦国時代の女武将

Vol. 513
 戦国時代の女武将

戦国時代を背景にした、読み物やゲームなどが好きな人であれば、尼子家という名前を知らない人はいないだろう。後に毛利軍に滅ぼされるとはいえ、山陰地方に勢力を持っていた戦国大名である。

尼子家には「尼子十勇士」と呼ばれる豪傑の者がおり、十勇士といえば真田が有名だが、山中鹿介(鹿之助、鹿之介)を筆頭にした尼子十勇士も尼子家の当時の勢力を考えると相当な実力であったはずだ。尼子十勇士は時代によってメンバーが異なり、その中に井筒女之介という変わった名前の持ち主が登場する。

現代とは違い、とても男女平等など考えられない当時において、「女」という字を持っている武士は非常に珍しい。そして井筒は女装していたというのだから、名の通りではあるが、何とも奇妙な存在に思える。

戦場で女装した井筒は相手に油断されたとしても、それだけで武功を挙げていくなど不可能であろう。なぜなら尼子十勇士は、4万人もの尼子家から選ばれたエリートで、元々が優れた武力の持ち主なのである。