古代都市国家スパルタの信じられないスパルタ教育

Vol. 524
 古代都市国家スパルタの信じられないスパルタ教育

現在では、生まれたばかりの赤ん坊から、お年寄りまで人権が叫ばれるようになり、社会的・肉体的・年齢的・精神的など、あらゆる差を起因とする差別は、人権の基に一掃される風潮がある。しかし、日本においてもほんの30年ほど前までは、スパルタ教育と呼ばれる、まるで人権など考えてもいないような厳しい教育が行われていた現場もあった。

それでも本家の古代都市国家スパルタに比べれば、日本のスパルタ教育など可愛らしいものである。スパルタで行われていたスパルタ教育は、とても現代人が真似できるものではない。

まず、生まれてきた赤ん坊は、既に親のものではなくスパルタ国家のものであり、国家を形成するに足りない健康な赤ん坊以外は捨てられる。子供は7歳になると集められ、勝つことを至上とした規律の中で育てられる。

12歳になると、いよいよ本格的に訓練と教育が始まる。男女問わず全裸で生活し、兵士として優秀な人材になるための詰め込みのスタートである。臆病者はスパルタでは生きていけず、生き抜くには戦いで勝つしかない。国家への服従と、あくなき勝利へのこだわりがスパルタ人として求められたのだ。