蚊取り線香がグルグル巻きの理由

Vol. 535
 蚊取り線香がグルグル巻きの理由

逆に蚊取り線香が、仏壇に用意されている線香のように棒状だったらどうなるか考えると、蚊取り線香がなぜ渦巻型をしているのかよくわかる。棒状で同じだけの使用時間を確保するには、75cmもの長さ(主要メーカーであるKINCHOの場合)にしなくてはならず、取り扱いが不便極まりない。保管も非常に大変だが、75cmもの棒の線香を倒れないように立てておくのは難しい。

また、棒状では衝撃に弱く、渦巻型にすると円弧状なので四方からの衝撃に耐えやすくなる。立てなくて良いので、倒れた時の被害(火災など)の危険性も少なくなり、火災防止のための下の受け皿も小さくて済むなど、渦巻状は棒状に比べて利点が多い。

この形状が考案されたのは明治時代で、発案者はKINCHO(金鳥)の初代社長夫人である。KINCHOの蚊取り線香は、渦が左巻きだがこれには理由があって、昭和に入ってから機械で生産するようになるのを境に、競合他社が右巻きであったことから、自社製品を区別するために左巻きにしたということだ。