お酒を飲む前に牛乳を飲んで胃に膜を作ると酔いにくい?

Vol. 544
 お酒を飲む前に牛乳を飲んで胃に膜を作ると酔いにくい?

お酒というのは、酔うことを目的として飲むのが大抵ではあるが、世の中には決して望まなくても酒の席に着かなくてはならないときや、できれば酔うほどに飲みたくないときもある。そんな場合に決まっていわれるのが、牛乳を飲んでおくという対処法だ。

その根拠は、牛乳で胃に膜を作り、アルコールの吸収を阻害するとされている。だが、実のところは胃に膜ができるほど均一に牛乳が胃で拡散されるかどうか疑問があり、仮に胃に膜ができたとしてもアルコールの吸収は妨げられないというのが知られてきている。牛乳を飲んでも血中アルコール濃度に変化は見られなかったという実験もある。

それならば、根拠なくこれまでずっと伝えられてきたかというとそうでもない。牛乳を飲んでからお酒を飲んだ場合、酔いが醒めやすくなることは確認されている。アルコールからアセトアルデヒド、そして酢酸へと分解されていく過程において、タンパク質は欠かせない。高タンパクな牛乳は、手軽に素早くタンパク質を事前に摂取する手段なのである。