なぜ?寒いときに鳥肌が立つ理由

Vol. 581
 なぜ?寒いときに鳥肌が立つ理由

まるで毛をむしられた鳥の皮のように、皮膚がぶつぶつとなる状態を鳥肌といって、主に寒いときになりやすい。鳥肌になっている時間はそれほど長くはないが、手で触ってみると明らかにざらざらしているので、皮膚全体でイボ状になっているのがわかるはずだ。

この正体は、毛穴周辺の筋肉の隆起で、その目的は体温の消失を防ぐというためである。人間の場合、他の動物たちと違って、体全体が毛に覆われてはいないので、鳥肌が立っても実は保温効果は少ない。そればかりか持続するわけでもないために、事実上は単なる動物としての生態上の遺物として残っているにすぎないと考えられている。なぜなら、人は鳥肌が立たなくても暖房にあたって暖をとり、厚着をして保温することが可能だからだ。

鳥肌は交感神経の働きによって起こることが知られており、自分で制御できるわけでもなく、寒さに応じて多くは震えと同時に発生する。必ずしも寒いことが原因ではなく、感動や恐怖といった感情の乱れによっても発生するなど、そのメカニズムは奥深い。