Vol. 600
会社が倒産した場合、社内預金は戻ってくるの?
大きな会社でなければ実施されていることはあまりないが、社内預金という制度を会社が設けているのなら、一般に銀行に預けるよりも利息が高く、利用している人も多いはずだ。社内預金は社員に対しての福利厚生の一環であり、社員の資産形成と会社の資金調達の柔軟性を兼ね備える制度だが、低金利時代の長期化によって利息負担が重くのしかかり、社内預金を廃止している企業も増えてきている。
社員にとっては、会社が倒産しない限りは損をすることがない良い制度であっても、いざ会社が倒産となると全く話が変わってくる。倒産手続には、破産、民事再生、会社更生という3種類があり、それぞれ社内預金の取り扱い方が異なる。
倒産するということは、会社が債務を弁済できない債務超過の状態なので、いずれかの債務は免責(帳消し)にしないと清算が成り立たない。そのターゲットは債権の種類によって違い、優先される債権ほど、保証されるという仕組みだ。
社内預金の場合には、基本的に債権としての優先度は低い。最も高い優先度になる会社更生であっても全額の保証ではないので、会社が危ないなら返還を求めたほうが良い。