なぜ?日本のロケットが種子島で打ち上げられる理由

Vol. 601
 なぜ?日本のロケットが種子島で打ち上げられる理由

日本にはロケットの打ち上げ場所として種子島が選ばれ、1969年に現在の種子島宇宙センターが開設された。以後、日本のロケットはここから打ち上げられている。

種子島が選ばれた理由は、安全のために民家が少ないなどの一定の条件を満たしているだけではない。人工衛星の打ち上げに使われるロケットには、赤道上空36,000kmという高度まで達するために、膨大なエネルギーを必要とする。そして赤道からずれた位置から打ち上げると、赤道上の軌道(静止軌道)とずれが生じ、補正するためには更に膨大なエネルギーを必要とするからだ。

つまり、エネルギー効率からすると赤道上で打ち上げるのが最も効率が良いことになる。赤道上に領土を持たない日本には種子島よりも南に小笠原諸島や沖縄があるが、いずれも統治上の理由(小笠原諸島は前年に返還したばかり、沖縄は返還前)によって、種子島が選出された。また、自転スピードは赤道に近くなるほど速くなり、自転スピードをロケットの打ち上げに利用できる(要するに勢いを付けられる)ことから、赤道に近いほうが有利という側面もある。