三大宗教の経典の数、仏教だけ経典が極端に多いのはなぜ?

Vol. 603
 三大宗教の経典の数、仏教だけ経典が極端に多いのはなぜ?

世界には3大宗教と呼ばれるキリスト教、イスラム教、仏教は、その信者の数が3教で40億人以上と、全世界の半分以上を占めている。人口だけで考えれば、仏教よりもヒンドゥー教のほうがはるかに信者が多いが、仏教のように広域性を持っておらず、広い地域に信者がいる仏教が3大宗教に入る。

各宗教の経典(教典)は、キリスト教は聖書(旧約・新約)、イスラム教はコーランと決まっており、これは良く知られている。ところが仏教に関しては無数の経典があり、そして宗派も数多くあって一体どれを経典とするのか良くわからない状況だ。

仏教がこうした事態になってしまったのは、仏教を開いた釈迦(ブッダ)が、記録することを認めなかったからだという。自身でも何も書物を残しておらず、当時でも文字は存在したが、紙などに記録するという行為は、教えが体から離れると考えていたとする説もある。いずれにしても、釈迦が残さなかったゆえに、弟子たちから教えを受けた後世の人によって経典は作られ、解釈の違いもあって膨大な数になったのである。