受験シーズンともなると、受験生は寝る間も惜しんで勉強をし、とにかく反復と量をこなすことで記憶を定着させようとする。心理的には十分納得のいく行為であり、絶対的な勉強量が自信に結び付くのも確かだろう。しかし記憶のメカニズムというのは実に奥深く、寝る間を惜しんだ結果が、記憶の定着を阻害している可能性があることを知っているだろうか。
研究によると、脳の記憶は睡眠時に情報の取捨や定着を行っており、睡眠時間は記憶にとって大切だという結果が公表されている。早い話が「覚えたら寝ろ」ということだ。更には眠りの深さも関係しているのは興味深い。睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるが、いずれも記憶に関係しているのである。
ひたすら物事に没頭して何かを成し遂げることは、人生においても非常に大切な事だ。だが受験勉強において、睡眠時間を削ることが合格という達成目標を失いかねないという点は、まだ若年である学生本人よりも、周りの人間が重要性を理解し、サポートすることの必要性を認識すべきである。