撮影の専門用語「セッシュウ」は日本人由来

Vol. 614
 撮影の専門用語「セッシュウ」は日本人由来

恐らく業界の人以外は使用する機会はなく、聞いたこともないかもしれない。撮影で身長差のある人物を同時に撮る場合や、構図上の問題などで被写体を上方に配置しなければならないとき、踏み台を使って被写体の位置を上方に修正することを「セッシュウ」と呼ぶ。単に呼び方の問題だが、セッシュ、セッシューという場合もある。

このセッシュウだが、語源となるのはハリウッドで最も成功したと日本人俳優と言われる早川雪州である。年配の方でなければ彼の名前を知っている人は少ないだろう。しかし、戦前からハリウッドに単身渡り、役者として大成功を収めた偉大な俳優である。「戦場にかける橋」というタイトルなら一度は耳にしたことがあるだろうか。

背が高いアメリカ人との撮影になるため、当時の日本人としては大柄な早川雪州でも、踏み台に乗らざるを得なかったという。それが転じてセッシュウ=踏み台に乗せるという意味になっていった。踏み台は早川雪州のためだけに使われたわけではないが、それだけ彼がスターだったという事である。