笑いすぎたときに涙が出る仕組み

Vol. 624
 笑いすぎたときに涙が出る仕組み

悲しい時に代表される涙は、感動した時、嬉しい時といった様々な感情によってあふれ出て、訓練された役者でもなければ理性的にコントロールすることなどできない。

人がポロポロと涙を流す光景は、単なる生理的な現象でありながら見ている人の心を揺さぶる。そんな中、激しく笑った時にも涙は出るのだから、まさに面白いものだ。

これらの感情的な涙の原因は、自律神経の1つである副交感神経の働きということが解明されている。人間は、自律神経といって自らが意識しなくても働いている神経系を持っており、交感神経(活動)と副交感神経(休息)の、絶妙なバランスの上で生きている。

興奮などの原因によって交感神経が優位になると、バランスを保つ目的で副交感神経が働きだし、その結果、涙が出てくるという訳だ。感情が高ぶったことに対する、自らの鎮静作用が正常に働いた結果なのだから、「あまり笑いすぎるなよ」と脳は涙で語っている。