Vol. 629
犬は熱い食べ物を食べることができるの?
犬が猫舌かどうかよりも、人間を除く動物全体において、猫舌(熱い食べ物が苦手)である可能性は非常に高い。なぜなら、火を通した食物を口にすること自体が自然環境においては極めて少なく、あっても山火事の時に逃げ遅れた動物が焼かれてしまった場合くらいしか考えられないためである。元々動物は熱い食べ物を口にしなくても済むような生活環境で暮らしている。
人間の場合、食事ができないほど口内に怪我を受けても、医療機関で点滴を受けるなどして栄養の補給は可能だ。しかし動物の場合、エネルギーを摂取するための口が使えないことは、そのまま生命を断たれるのと同じで、熱いものを食べられる食べられない以前に、食べてはいけないのである。
古来から人の生活となじみが深い犬や猫は、人間の食べ残し(最近では専用の食事も)与えられることが多く、加熱した食べ物を与えられることもあるだろう。そしてそれは、家の中で飼われる猫のほうが機会は多い。熱いものを食べない様子が、他の動物よりも猫に多くみられるのは当然で、古来から犬が家で飼われる動物であったなら、犬舌になった可能性は高い。