盲腸はいらない臓器?

Vol. 660
 盲腸はいらない臓器?

決していらない器官では無いはずだが、虫垂炎を起こすと最悪のケースでは命に関わるリスクはしっかりあるのが盲腸だ。盲腸は通称で、正しくは虫垂といって本来の盲腸に繋がっている小さな部位である。

現在は研究によってリンパ組織の1つとして認められているが、古くから役割が不明な盲腸は、理由があればとにかく切ってしまうものであった。それは虫垂炎の予防でもあったし、切り取ることによる障害が認められないという結果に基づいていたのである。

実際のところは、盲腸は消化を助ける物質の貯蔵や免疫の役割があるとされ、とてつもない数の菌を含む腸内で一定の役割があると考えられている。しかし我々の食料と医学の分野における進歩は目覚ましく、盲腸を不要とするほどの生活習慣が日常的に営まれているのだ。