「ろくでもない」って六じゃないこと?

Vol. 672
 「ろくでもない」って六じゃないこと?

行動が人の道に外れているようなことを表すのに、ろくでもないという言葉が使われる。

ろくというのは六という意味ではなく、漢字で書くと「陸」である。六という漢字は「りく」とも読み、陸という感じは「ろく」とも読む。漢数字の六は、大字(だいじ、難しい漢数字)で書くと陸なので、漢数字では六と陸は同じ意味になっている。

陸は平らな様子を表し、現代でも用法として陸屋根(ろくやね)という平らな屋根にもその名残がある。陸ではないということは、平らではないという意味になって、それが人道に反するようなさまに転じたと考えられている。

六と陸は漢数字で同じ意味だと説明した。だからといって陸の持つ意味が、そのまま六として代用できるもものではない。陸でもないを六でもないとしてしまうと、途端に意味が不明になってしまうのである。