火元責任者ってどんな責任があるの?

Vol. 699
 火元責任者ってどんな責任があるの?

火元責任者という言葉は聞いたことがあるだろうか。例えばビルなどの建物の消防計画において、火元責任者の名前があると、「責任者」であるだけに重責を背負うと思いがちだが、実際はそうでもない。

消防法上、収容人数が一定の建物については、防火管理者を定め消防計画を作成して、防火管理に必要な業務を行わせなければならないとされている。しかし、防火管理者が広い建物の防火管理を全て行うのは現実的ではなく、火元責任者をおいて監督し、必要な指示を与えることができるのである。

従って防災管理上は、火元責任者にもある程度の道義的な責任はあるが、失火したからといって責任を問われるのはあくまでも防火管理者だ。火元責任者を頼まれたからといって、肩書きに捉われる必要もない。

だからといってどうでも良いかというと、それでは火元責任者に任命した意味がなく、防火について注意を払い、必要があれば措置を講じるべきだろう。ただの肩書きでも名誉職ではなく「責任者」なのである。