人間の体には約5g(鉄1本分)の鉄分がある

Vol. 703
 人間の体には約5g(鉄1本分)の鉄分がある

人間の体には約3.5gから5gの鉄があるとされ、その多くは血液中(ヘモグロビン)に存在している。大体の重さで言えば、1kg250本前後で売られている日常良く見る鉄の釘1本に相当し、そのうち1gは肝臓に蓄えられ貯蔵鉄と呼ばれる。

鉄というのは、食物で摂取する栄養素の中でも比較的軽視されやすい。例えば三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂肪に加え、ビタミン類は意識して摂取されるが、鉄を意識して食事を考える人はあまり多くない。

中でも鉄を意識しなければならないのは女性である。男性と身体活動が異なるために、血液の流出によって鉄分が失われる機会が多く、それを食事で補わなくてはならないのだが、意識しないため女性の多くは貧血だ。

鉄の消費は肝臓の貯蔵鉄から行われるために、なかなか貧血に気付かず、貯蔵鉄が枯渇して血液中の鉄が使われだすと、途端に欠乏して貧血の症状が現れる。そこで慌てて鉄分の多い食事を考えても、実は食事で得られる鉄は10%程度しか体内に蓄積されない。そのため、普段から鉄分を摂取して備えることが大切なのである。