赤いちゃんちゃんこの由来

Vol. 705
 赤いちゃんちゃんこの由来

還暦に赤いちゃんちゃんこを贈るのは、1つの風習として行われているに過ぎず、実際に常用としてちゃんちゃんこを身につける習慣はなく、なおかつ赤という派手な色であることも、高齢者の外出には用いられにくい。そこで現在では、還暦用として赤いちゃんちゃんこのレンタル業者すらある状況だ。

赤いちゃんちゃんこを贈る習慣は、還暦によって干支(えと)が一周することに由来する。干支が一周することで生まれたばかりの赤ん坊になぞって赤いちゃんちゃんこ、つまり「赤ちゃん」である。

干支が12種類の動物というのは日本人の一般的な感覚で、何年(なにどし)生まれ?と聞いたときに帰ってくるのは動物の名前だろう。しかし動物の名が付いているのは、干支の12ある「支」で、干支の「干」については語られない。

「干」には10種類あって、甲(きのえ)で始まり、癸(みずのと)で終わる。子、丑、寅で始まる12支と組み合わせると、甲子(きのえね)から始まり癸亥(みずのとい)で終わり、これが正しい干支である。

干支は10と12の最小公倍数である60で一周することから、60歳を迎えたときに生まれた干支に戻り、これが還暦という意味になる。