Vol. 706
山開きや川開き、海開きをする意味
山開き、川開き、海開き。いずれも決められた日を境に、人が出入りして良いという建前で行われる行事である。私有地や特別な規則で立ち入り禁止区域になっていなければ、出入りに制限があるとは思えないが、それでも必ずこうした行事は行われる。
実は山開きには理由があり、神や霊が宿る神聖な山には、僧侶などの特別な人以外は入山を禁止されていた。それが一定期間立ち入りを許すために設けられたのが山開きであり開山祭である。閉ざされている山を開くのだから山開きというわけだ。それが川開きや海開きへと繋がっていくことになる。
川開きも海開きも、自然のあらゆるところに神の存在を信じる、古来からの日本の考え方によって行われている。要するに山開き、川開き、海開きは神事であるので、お祓いをして期間中の安全を祈願するのが本来の趣旨であった。
ところが現代では、もはやそれらはイベントしての日にちの価値しか持っていない。山にも川にも海にも存在すると信じられている神様達は、ないがしろにされてどう思っているだろうか。