なぜ寒い日に粉雪、暖かい日にボタ雪が降る?

Vol. 720
 なぜ寒い日に粉雪、暖かい日にボタ雪が降る?

スキーやスノーボードを趣味にするなら、冬の寒い時期のパウダースノー(粉雪)で滑走するのを心待ちにしている人も多いだろう。しかしパウダースノーで滑ることができるのは、本州でも高地にあるスキー場や、北海道の中でも寒い地域でなおかつ冷え込みが厳しい時期でなければならない。

湿った雪のことを一般にボタ雪と呼び、この呼称は地域によって様々だ。ボタ雪になると水分が多くなることから積雪も重く、容易に固められるボタ雪は、雪合戦をする子供たちにとっては喜ばれる。しかしウィンタースポーツにとってボタ雪は、雪質が悪いと称される代表的な雪のことで、雪質を求めてわざわざ遠くのスキー場にでかけるのはそのためである。

この雪の違いは、気温と空気の乾燥度によって起こる。総じて冬は乾燥しがちだが、春が近付くにつれて気温が上昇し、僅かでも雪の表面が溶けると、結晶は大きくなり互いに雪もくっ付きやすい。

ボタ雪は風に吹かれる粉雪と違い、粒が大きく堆積しやすいため、日本海に面した雪国では屋根に積もったボタ雪が深刻な問題になる。毎年何人かが屋根の雪下ろしや落雪で事故に見舞われるように、ボタ雪の重さは一種の災害に近いものがあるのだ。