非常に大きな反響を呼んだ教育事情の問題に、親の年収が子供の学力に影響しているというデータがある。残念ながら、これは親が子供にかける教育費だけの問題ではなく、学力というものに対しての意識の違いが、親の年収にも反映していると言わざるを得ない。親の年収が子供の学力に比例するとは、９年間もの義務教育の意味は何なのか。
日本の最高峰の大学の１つである、東大へ入学する学生の親の年収は、日本人の平均年収よりもはるかに高く２倍程度ある。国公立大学の授業料がいくら私立よりも安いからといって、好き勝手に遊ばせておいた子供が、自力で東大に入学できるような時代ではないということだ。
大人と違い、無責任に遊べるのは子供のうちだけで、その貴重な時代を勉強に費やさなければ、有名大学には進めない。好きな分野の勉強を本格的にするのが大学の在りかたなのに、日本の場合には大学に入るまでに相当な勉強をして、大学に入ると遊び呆けてしまう学生が多い。
この現象は、幼少の頃から勉強ばかりしてきた結果、大学進学でようやく精神的な開放感を得た反動なのかもしれない。子供たちの高い学力を支える年収の高い親たちは、はたしてこの構図をも納得済みなのだろうか。
