ザトウクジラは一曲30分以上の恋の歌を歌う

Vol. 726
 ザトウクジラは一曲30分以上の恋の歌を歌う

最も大型の哺乳類として、捕獲と保護で激論が交わされているクジラ。中でもオスのザトウクジラは、繁殖期に歌と呼ばれる発声をすることが知られている。単純に考えると、繁殖期であるだけにメスに対して何かメッセージとして送られていると考えられているが、その点について知っているのは当のザトウクジラだけだ。

この歌は、長いときには30分にも及ぶといい、それが求愛であるならなんとロマンティックな行動だろう。基本的に視界が一般に空気よりも劣り、臭いも空気より伝わりにくい水中において、音は確実に空気より早く届く。そう考えると、メスへのアプローチにおいて最も確実に速く届く声を利用しているというのは、ある意味特筆すべきことだ。

ただし、前述の通りザトウクジラの歌については、あくまでも人間が想像しているにすぎず、単に習性として繁殖期に発しているだけの可能性もある。歌と呼ばれる理由は、その内容が分類でき、組み合わされたパターンから構成されているからだ。そして永遠に同じ「曲」を歌うのではなく、ザトウクジラには流行りのフレーズが存在していることもわかっている。