むき出しの鉄は、経年によって簡単に錆びてしまうため、大抵は塗装などでコーティングして工業製品に使用される。それでも塗装がはがれて地金が見えるとやはり錆びてしまい。錆びた鉄は茶褐色になってボロボロと崩れてしまうのは知っての通りだ。
錆というのは、金属が酸素イオンや水酸化物イオンなどと結びついて元の金属とは異なる物質を生成することである。鉄の場合、酸化鉄や水酸化鉄を生成することで組成が変わり、錆として表面に堆積していく。
本来、鉄はそのまま地球上に存在しているのではなく、他の物質と結びつき安定して存在することが多い。鉄の原料となる鉄鉱石がその代表例で、鉄鉱石をコークスと共に熱すると、鉄鉱石が還元されて鉄を取り出せる。しかし、鉄というのは不安定な状態なので、元に戻ろうとして錆になってしまうのだ。