なぜネジにはプラスとマイナスがあるの?

Vol. 744
 なぜネジにはプラスとマイナスがあるの?

ねじにはマイナスとプラスがあり、締める工具であるドライバーにもマイナスとプラスがあるのは誰でも知っている。元々はマイナスのねじしかなかったのだが、アメリカでプラスのねじが発明されて、日本でも普及した経緯がある。

マイナスに対してのプラスの優位性は明らかで、ねじをドライバーに差したときにプラスであれば落ちにくいが、それは十字型であるほかに、3次元的に奥行きをつけて溝が掘ってあるからだ。マイナスは横一直線なので、ドライバーにねじを付けたまま移動させることができない。

これはねじを締めるときの動作にも直結し、マイナスの場合には締め始める際に、溝にドライバーをきっちり合わせ、なおかつ垂直に締めなくてはならない。横ずれをすると力が分散して思うように締められず、これは特に電動工具を使う場合には致命的だ。プラスはその点、ドライバーとねじの溝の向きに柔軟性があり、少しくらいなら斜めに締めることもできる。

素人考えでは、それほど違いがないようでも、無数のねじを締める現場仕事や工場の生産ラインでは、少しの時間のロスを累積すると、膨大な作業効率の低下を招くのである。