赤身の魚といえばマグロやカツオ、ブリなどの遠洋回遊魚を、白身の魚といえばタイやヒラメといった近海で獲れる魚として覚えている人が多い。魚肉の色はミオグロビンという色素タンパク質が多ければ赤く、少なければ白く見える。
赤身の魚は赤筋(遅筋)が多く、持続力に対して優位な性質を持っている。対して白身では白筋(速筋)が多く、俊敏に動くための瞬発力を持っている。この筋肉の違いはスポーツの世界でも有名で、マラソン選手は赤筋を、短距離選手は白筋を多く持つほうが有利とされている。
実生活において、赤身と白身というのは単なる魚肉の色で決められたルールなどなく、色の違いで覚えても間違いではないが、若干異なっていることを覚えておきたい。赤身の魚は血合筋(血合肉)の量が、白身の魚と大きく異なり、いわゆる「青物」と呼ばれる回遊魚は、全て血合筋が発達している。そのため、イワシ、アジ、サンマ、サバといった家庭で食べられる青物も、身が白いように思えるが全て赤身なのである。