肉は寝かせた方が断然うまい!

Vol. 747
 肉は寝かせた方が断然うまい!

肉は腐る直前が旨いと言われることがある。それは腐りかけの肉を食べるという意味ではなく、腐るほどに寝かせた(熟成させた)肉のほうが旨いという意味なので、雑菌が繁殖し始めた腐りかけの肉を食べてお腹を壊すようなことは避けたい。

肉はタンパク質からできており、そしてタンパク質はアミノ酸が結合してできたものだ。動物が死んで血流が止まると、徐々に細胞は死滅しタンパク質の分解が起こる。そのとき元のアミノ酸に戻っていく作用も起こるため、旨み成分であるアミノ酸にも変わっていくのだ。

このように、意図的に肉を寝かせて熟成させることをエイジングと呼び、特別なことではない。ただしエイジングをすると表面が乾燥したりカビが生えたり腐ったりと、多くの部分を捨てなくてはならないため、コストの面から高級食材を扱う店でしか利用されにくい。

また、肉の種類によっても最適な熟成期間は全く異なり、肉の質(部位・水分・脂肪など)によっても熟成期間が異なる。そのため、家庭で腐る直前まで熟成を試みるのは、衛生面の意味からも止めておいたほうが良いのである。