水戸黄門の退治した悪代官は、実在より多い?

Vol. 748
 水戸黄門の退治した悪代官は、実在より多い?

歴史に残る時代劇の長寿番組といえば、伝家の宝刀とも呼べる三つ葉葵の印籠を示すことで悪を退治する、おなじみの水戸黄門シリーズだ。シリーズ累計で1200話を超えるので、印籠の力は衰えを見せず1200回以上示されたということである。

さて、水戸黄門のメインシナリオが、善の民を苦しめる悪の官を、庶民のふりをした水戸黄門が、その高い身分を利用して裁くという痛快な内容であることは、ファンが多いだけに良く知られているだろう。弱気を助けるその姿が魅力の1つでもある。

ここで悪代官と水戸黄門シリーズの放送回数を考えると、1200人は悪代官が存在しなければならない。代官の身分は確かに当時の階級制度の中では下位にあったが、それでも1200人もの悪代官が存在するとは到底思えない数だ。

仮に水戸黄門によって退治された悪代官の後釜が、やはり悪代官であったなら考えられなくはないが、それほど当時の代官が腐敗していたとはとても考えにくく、当然だが時代劇の中の話というわけである。