人間の骨の数は大人より赤ちゃんの方が多い

Vol. 760
 人間の骨の数は大人より赤ちゃんの方が多い

人間の大人の骨の数は通常206個であり、これは男女で変わりはない。ところが赤ちゃんの骨の数は300以上にもなる。これから発育を始める赤ちゃんが、大人よりも骨の数が多いのは意外な事実だ。その理由も発育前の体であることに起因しており、大人では1つの骨になる部分が、赤ちゃんではまだ分かれており、成長するにつれてくっ付いていくためである。

骨はとても固いので、何となく成長しないように思うが、明らかに身長が伸びるように、骨も伸びていくのは知っての通りだ。だがそのイメージが湧かないのも確かだろう。

骨には骨芽細胞という骨を作る細胞と、破骨細胞という骨を壊す細胞がある。骨は常に新陳代謝を行っており、破骨細胞によって骨が溶かされても、骨芽細胞によって作られたコラーゲンと血中のカルシウムが結び付いて新しい骨になる。

このサイクルは常に行われていて、それがあるからこそ、成長期を過ぎても骨折が治るのだ。骨の数が多い赤ちゃんの骨がくっ付いて数が減っていくのも、こうした働きの結果である。