土星と言えば輪(環)が特徴的で、他の惑星には同じように顕著な輪が見られないため、理科の教科書で土星の写真を見ると印象深く記憶に残りやすい。そして土星は大きい惑星なので、小さな望遠鏡でも輪が見られるほど大きい。しかし、なぜ土星の輪ができたのかは解明されておらず、そのメカニズムは謎に包まれている。
ただし、観測によって土星の輪が氷であることは確認されていて、その幅(奥行き)は7,000kmから8万km、厚みは10mから1km程度と見られている。輪にはA環、B環、C環などと名前が付けられており、それぞれ特性を持っている。
土星の輪は常にあるのだが、地球から見ると無くなっていることがあって、それは土星が地球と同じように傾いた軸で自転していることを示している。見えないというよりも水平になっただけで、地球から見た傾きが変わればまた見ることができるのだ。約15年くらいの周期で土星の輪は水平になる。
一度機会を逃すと15年は見られない現象、いやむしろ輪が見えない現象と言うべきか。だとしたら一生に何度も見られる光景ではないので、輪のない土星を一度は見ておきたいものである。