宇宙エレベーターって何?

Vol. 767
 宇宙エレベーターって何?

読んで字のごとく、宇宙のエレベーターなのだから、宇宙へ向かうエレベーターである。だが、例えば月までをエレベーターのような装置で往復するという意味ではない。赤道上の上空にある静止軌道へ、有線で移動できる手段を提供するものだ。

静止軌道までの距離は3万6千キロ。その長さのケーブル(ワイヤー・ロープなど呼び方は何でも良い)を、静止軌道上から地上に向かって垂らすという何とも壮大な計画で、エレベーターという名称だが、ケーブルで箱を移動させるのではなく、箱がケーブルを伝って移動する仕組みである。

距離が距離なのでこれまでは実現性が乏しかったが、カーボンナノチューブという、引っ張り強度においてはダイヤモンドを凌ぐ性能でなおかつ弾力性に富むという、うってつけの物質が登場したことで、実現化に向けて動き出している。

実現すれば、ロケットに乗るための訓練を受けていない人でも宇宙に行けるということだ。一般人が利用できる日はまだ先だろうが、楽しみな技術の1つである。