Vol. 775
ペースメーカーは心臓と同じ働きをするの?
人間にとって血液を送り出す心臓は、脳と同様に無くてはならない臓器である。そして心筋の動きが乱れ、一定の鼓動を保てなくなってしまうと、命に関わってしまうためにペースメーカーで心臓の鼓動を安定させるという施術が行われる。
誤解されがちなのが、ペースメーカーそのもので心臓を動かしているわけではないという点だ。ペースメーカーはあくまでも心筋に対して補助的に電気信号による刺激を送り、心筋を動作させるという装置で、ペースメーカーによって生かされているという言いかたは語弊がある。
ペースメーカーは、本来の心拍を検知できないときだけ電気信号を送る。それは即ち、正常に心臓が動作していれば、ペースメーカーは刺激を送らないことと同じで、ペースメーカーというのは人工心臓ではないのだ。
人工心臓ではないので、疾患によって心筋が機能不全に陥ると当然に心停止になる。ペースメーカーがあればいつまでも心臓が動くと考えているのなら、それは間違いである。