視力検査で使う「c」は何という名称?

Vol. 782
 視力検査で使う「c」は何という名称?

輪の切れ目という国や文化に依存しない形状を採用したのは、今から100年以上前に遡る。

輪の名前をランドルト環といい、フランスの眼科医が作ったものだ。その功績は大きく、国際標準となって世界中で利用されている。また、ランドルト環は、大きさと線の太さや開いている隙間の間隔の比率が決まっており、視角に基づいて作られている。

視力というのは、形状を判別できる眼の能力のことであるから、視角(眼と見る物体の2点が作る角度)の識別が可能である範囲を示している。視角の識別とは、輪の切れ目のように他と異なる部分は、他の全体に対して目との角度が違うので、その違いを見分けられるかどうかという事である。

実際、視力検査で輪の切れ目がどの方向かわからない時、輪は繋がって見えている。それは切れている部分によって変化する視角の違いを、眼が識別できなくなっているからに他ならない。