なぜ?時計の針が右回りの理由

Vol. 784
 なぜ?時計の針が右回りの理由

言われてみると確かにそうかもしれない不思議が時計の回る向きだ。普通に時計回りや反時計回りとして使っていても、時計の回り方が右回りであることなど意味があるとは全く思わないだろう。生まれたときから時計は右回りであり、左回りになることはあり得ないからである。

時計が右回りである理由は、日時計に由来しており、影を利用した日時計は太陽の軌跡の影響、つまり緯度に影響を受けている。日本でもそうであるように北半球の場合、東から昇った太陽は南寄り(緯度によって角度は異なる)の上空を通過して西に沈むので、地上に棒を立てると、影は西から始まって北に進み、日が沈むころには東へと移動する。これが右回りになるので、時計の文字盤には右回りに数字が付いているのである。

ただし、この影の動きは北半球に限定されている。南半球では昼の太陽は北寄りになるので、西→南→東と影が進んで日時計は左回りになってしまう。それでも古代文明が発達したのは北半球であったことから、日時計の影は右回りになり、時計の文字盤も右回りに配置されたのだ。