静電気の電圧は乾電池より何千倍も高い

Vol. 789
 静電気の電圧は乾電池より何千倍も高い

乾燥する時期になると起こりだすパチッとくるあの瞬間は、思わず手を引いてしまうほど不快で、痛みを伴うことも多い。もうわかると思うが、正体は静電気である。

静電気は体に滞留した電気の放電で、数千から時には数万ボルトという高い電圧を発生することがわかっている。乾電池の電圧は1.5ボルトなので4000個を直列に繋げても6000ボルトであることを考えると、とてつもない電圧なのだ。しかし対する電流が小さいためにパチッと来る程度で済み、人体に影響が出るほどではない。

静電気が乾燥する時期に起こりやすいのは、湿気があるほど電気が空気中に放出されやすいからである。場所にもよるが、水を撒く、加湿器を使うなどすれば帯電を少なくすることは可能だ。

また、誤解されやすいが静電気は電気を通さない(絶縁性が高い)物体ほど滞留しやすい。電気を通さないゴム製の素材や吸水性の少ない化学繊維の服を身につけること(ただし組合せの影響も受ける)は逆効果だと知っておきたい。