女王バチが死んだりいなくなったらどうなる?

Vol. 793
 女王バチが死んだりいなくなったらどうなる?

何万ものハチ(ミツバチ)の中に、たった一匹だけ君臨する女王バチ。女王バチだけが卵を産むことができる特権を持ち、全てメスである働きバチは、女王バチの侍女のような扱いである。

さて、この女王バチだが、絶対的な存在であるだけに、いなくなったらどうなると考えたことはあるだろうか。実際にも、女王バチが寿命を迎えたり、巣の中のハチが増えすぎて分かれる(分蜂という)ときは、女王バチがいなくなってしまう。

しかし、女王バチが卵を残さずに死んでしまうような不測の事態でもない限り、ミツバチは絶えることがない。それは女王バチが、生まれてから作られるものであるという性質と関係がある。

女王バチがいなくなることが分かっている、もしくはいなくなった状態では、働きバチたちは、次の女王のために特別な巣(王台と呼ばれる)を作り出す。そこで生まれた幼虫は、栄養価たっぷりのロイヤルゼリーを与えられ、新しい女王になるのだ。

この王台が作られるのは1つとは限らないため、王台で生まれた新女王バチは、他の王台の幼虫やサナギを殺してしまう。権力者になるために、時には非情が必要なのは、ミツバチであっても変わらない。