卵とにわとりの、どっちが先に存在したのか。この問いは、単に結論の出ないことをたとえるだけではなく、科学者にとっては永遠のテーマとも言えるべき課題である。なぜなら、どちらを先に説明するにも不都合があり、やはりこの問題は結論が出ないのである。
どちらが先かという点を突き詰めると、生物学上の進化論に行きあたる。これまで多くの科学者や生物学者が進化論を提唱しているが、ラマルクとダーウィンという2人の偉大な学者の違いを知ると面白い。
ラマルクの進化論では、不要な器官は徐々に退化していき、代を重ねていくことでやがて器官の構造が変化していくと考えた。ダーウィンの場合、同種であっても生物として生き残るために有利な性質を持っていると、次世代に繋がっていくことができるため、その代重ねにより進化が起こると考えている。
ラマルク的に卵とにわとりを考えると、今まで飛べたのに退化して初めて飛べなくなったのが初代にわとりであるから、にわとりが先だということになる。では、その卵は初代にわとりの卵ではないのかという点を考えだすと、やはり無限にループして出口がないのだ。