クジラの潮吹きの仕組み

Vol. 805
 クジラの潮吹きの仕組み

クジラは時々海面に出てきて、勢いよく潮を吹く。ホエールウォッチングで人気が高いのも、ブローと呼ばれる潮吹きである。雄大な姿で泳ぐクジラは、どうしても人間と同じ哺乳類だとは思えないが、まぎれもなく哺乳類だ。

クジラは人間と同じように肺で息をしており、水中にいながらエラ呼吸で酸素を取り込む魚類とは決定的に違う。そのため、呼吸をするため定期的に海上に出てこなくてはならない。潮吹きというのは、即ちクジラの呼吸のことで、潮を吹いているように見えるのは2つの理由がある。

1つは、勢いよく息を吐くので、鼻に溜まった水が一気に吹き上げられて水しぶきになる点、もう1つは、クジラは恒温動物であるため吐く息も暖かく、外気に触れることで冷やされ、白い湯気になって見えるという点である。

前者は人間では再現できないが、後者は寒い日に息を吐くだけで簡単に見られるだろう。クジラの場合、人間とは吐く息の量と勢いが比べ物にならないため、潮吹きのように高く舞い上がるのだ。