Vol. 813
フグがフグを食べると毒で死んでしまう?
フグの毒はテトロドトキシンという神経毒で、微量でも致死量に至る猛毒である。麻痺作用があることから、フグの毒で命を落とす人は、肺を動かす横隔膜が麻痺して呼吸困難に陥る。ではフグがフグを食べたらどうなるのだろうか?
フグには、フグの毒に対する耐性があって、共食いしても影響はない。そもそもフグというのは、自分で毒を作るのではなく、毒を持った餌を食べて体内に毒を蓄積していく。毒を持った餌は、餌自身が毒を持った別の餌を食べているので、フグに凝縮されて集まることになるのだ。
最近では毒を持たない餌による養殖も行われている。理屈的にはそのようなフグは肝臓などの内蔵も食べられることになるが、いくら大丈夫と聞いても、いざ食べる勇気を持つまでには時間が掛かるだろう。