玄関のドアが外開きの理由

Vol. 843
 玄関のドアが外開きの理由

ドアには内開きと外開きがあって、普段何気なく開けているが、部屋の中では場所によっても異なり、例えば階段を上がったところにあるドアが外開きでは、ドアを開くと階段を塞いでしまうのでスペースがなければ内開きになる。そして玄関のドアは必ずといって良いほど外開きである。これが欧米では一変し圧倒的に内開きが多い。

この玄関ドアの外開きというのは、実は防犯上非常に都合が悪い。治安が良く平和な日本においては、招かれざる客がドアを無理やり開けて入るということは少ないので騒がれないが、途中まで開けてしまったドアを閉めようとして、手をドアノブまで伸ばして引くのと、ドアに体を預けて押すのとでは、明らかに後者のほうが優れている。

それでも外開きが使われる理由は、日本には靴を脱ぐという文化があるので、玄関のドアが内開きでは困ったことになるからだ。内開きの場合、ドアが開く扇形の軌跡上には何も置けず、よほど広い玄関でもなければ、半分程度は靴を置けないスペースになってしまうのである。