なぜ牛乳を飲むとお腹を壊す人がいるのか

Vol. 850
 なぜ牛乳を飲むとお腹を壊す人がいるのか

完全に人によりけりだが、牛乳を飲むとお腹がゆるくなる人がいて、胃腸が弱いように思われても実はそうではない。牛乳はほのかに甘く、これは乳糖(ラクトース)を含むせいで、この乳糖を分解するラクターゼという消化酵素が生まれつき少ない体質の人は、乳糖不耐症といって牛乳でお腹をこわし、健康状態とは無関係である。

自分がラクターゼを十分に持っているか、または持っていないという判断は、牛乳を通常の摂取量である範囲で飲んでいる限りは判別が難しい。自分の体内で乳糖を分解できなくなる量(許容量)は人によって異なるのがそのためだ。また試そうとしても、単に飲み過ぎてお腹をこわすケースもあるので、一概にはどのくらいが許容量であるか試してもわかりにくい。

成長期の男性に良くみられるように、牛乳を多く飲むことは身体の成長を促す(特に身長)と信じられており、代謝の活発な年齢だけに水代わりに牛乳を飲む人もいるが、乳糖不耐症の人が同じことをすると、毎回トイレで苦しむことになるのである。