日本の紙幣印刷技術は、恐らく世界において群を抜いて高いレベルにあり、紙幣に使われているその技術は、偽札を作っている犯罪組織が容易には真似できない。万が一、見破られない精巧な偽札を作れたとしても、そのコストに見合わないと考えられているほどだ。
ところが、諸外国では偽札が見つかる割合は高く、2012年末のデータでは流通量に対する偽札枚数が、日本銀行券に対してユーロ券で200倍以上、ドル券で600倍以上(推定)、ポンド券に至っては1,500倍以上になる。日本で偽札が1枚見つかるほど紙幣を集めたら、ポンドでは1,500枚以上の偽札が混入しているのである。
実際、国立印刷局の技術は優れており、すき入れ(いわゆる透かし)だけでも、他の国の紙幣とは段違いの表現力で、ホログラム、パールインキ、超細密画線など、その他にもたくさんの偽造防止技術が詰め込まれている。