Vol. 873
スズメやツバメなど、鳥が電線に止まっても感電しない理由
身近にいる鳥で代表的なのは、スズメとカラスだろう。その他にも多くの鳥が日本にはいるが、どの鳥でも電線にとまって休んでいて感電するということは無い。高電圧が流れている電線は、災害などで切れて地面にあると、危険であるため近寄らないのが人間の常識だから、不思議な気もする。
鳥が感電しない理由は、電気の仕組みそのものとも言える。電気(電流)が流れるためには電圧が必要になり、少し難しい話になるが、電圧とは電位の差のことで、乾電池のプラス極とマイナス極には、1.5ボルトの電位差があるので、乾電池の両端を線でつなぐと電気が流れるという仕組みだ。
ここで電線を見てみると、電線には当然電流は流れており、従って2点間で電位の差(電圧)は当然ある。だがその2点間の電圧は非常に僅かでしかなく、更に鳥の体内の電気的抵抗よりも電線の電気的抵抗の方がはるかに小さいため、鳥には電流は流れず電線を流れて行くのである。
電圧があれば電気は流れるので、鳥であっても片方の足を電位の違う他の電線や金具などに接すると、簡単に感電してしまう。人間においては、常に大地という電線と大きく電位差がある箇所に接しているので、人間が電線に触れると危険なのだ。