お湯が沸騰すると何故ヤカンはピーと音が出るの?

Vol. 874
 お湯が沸騰すると何故ヤカンはピーと音が出るの?

沸騰したお湯が入ったヤカンの音は「ピー」だろうか?それは、単なる沸騰を知らせるために後で付けられた機能に過ぎず、お湯が沸騰する過程においては色々な音が混じり合って発生している。その音の発生源は、沸騰するときに出てくる泡が破裂する音だ。

電気ケトルが普及したこの時代でも、鍋でお湯を沸かすことは多いので、沸騰までの様子を観察することは容易に可能だ。じっと見ていると底に小さな泡が発生し、徐々に泡は多くなるが次第に1つ1つの泡も大きくなり、ボコボコと水面に浮き出ては破裂していく。この音は当然小さな泡なら聞こえもしないが、沸騰までいくと音として確認が可能である。

茶道で有名な千利休は、茶に適したお湯について湯相という考えを示している。湯相とは茶釜で沸かされる5つのお湯の音の違いを表し、茶に適した温度になるまで区別して湯を沸かしていた。

どのようなヤカンでも一様な音が鳴るわけではなく、ヤカンの形や材質、それとヤカンに与える熱量によっても異なるだろう。ガスコンロとストーブの上のヤカンで同じ音にならないのはそのためである。