Vol. 876
人間を構成する元素は炭素が一番多い
人体で最も多い元素は何だろうか?最も多い構成物質が水であることはよく知られており、体内の約70%程度は水分である。だが水の化学式は、水素原子2つと酸素原子1つからなる分子なので元素ではない。
大部分が水であることからわかるように、人体を構成する分子が水素か酸素であることは容易に想像できるが、人体全体で考えた場合には、圧倒的に酸素のほうが多い。次に多いのは炭素で、炭素は有機物の源であり、炭素がなければ人はほとんど水同然になってしまう。酸素は炭素を含めた様々な元素と結合し体内に存在している。
酸素は重量比で65%と大半を占めているので、いかに人間にとって呼吸によって得られる酸素が大切であるかを物語っている。呼吸が止まると簡単に人間は命を落とすように、燃焼エネルギーにも必要な酸素は、欠けると生命を維持できない。
考えてみれば、人間は呼吸さえできれば水だけでもしばらくの間は生きていられるのだ。それはつまり、空気中から取り込む酸素と、水分としての酸素がそれだけ重要だということである。