犬が人間になつく理由

Vol. 883
 犬が人間になつく理由

古くからペットとして家族同然の地位を得ているイヌだが、飼い主に忠実に仕える動物として、忠犬という言葉が与えられるほどイヌは賢く、社会性を持っている。その理由までは解明されていないが、もっともらしい推測はされていて、イヌがオオカミの血を引くことに原因があるようだ。

既に絶滅してしまったが、オオカミは集団性の動物で、群れをなして統率された高度な社会性を保ちつつ存在してきた。必然的に階級的な身分の違いに従う本能がイヌにもあり、主人として認めている人間には忠誠心を示すという説である。

もっとも、イヌだけではなくペットにありがちなのが、飼い主の家族の中でも1人にしか心を許していないと思われるような行動だ。俗っぽく言うなら、なめられている人間には従順な態度を示さないペットは多い。

それが先祖の血による影響だとしたら、同じ哺乳類である人間にもそういった気質が含まれているのだろうか。人間的に尊敬できない上司に敵対したくなるのも、似たような理由なのかもしれない。