エベレスト山頂の酸素濃度は7%

Vol. 891
 エベレスト山頂の酸素濃度は7%

酸素は人間の生命維持にとって重要な役割を持っているが、だからといって酸素だけの空間で生きられるかというと決してそうではない。酸素が無くなると窒息してしまうというのは正しいが、実は酸素濃度は高くても低くても人間に害を与える。高濃度の酸素を長時間にわたって吸い続けることも危険で、人体に影響する酸素濃度と時間のことを投与限界という。

低濃度というのは、空気中の濃度である21%より低いことを表し、18%を下回ると何らかの症状が起こり始める。高い山に登ると空気が薄くなる(酸素が少なくなる)ため、低酸素症になってしまうのはそのためだ。

しかし、スポーツの世界では高地トレーニングを行うように、低酸素状態での運動は人間の順応性から心肺機能を高める作用がある。だからといっていきなりエベレストのように低酸素のところにいくと、7%程度しかないといわれる酸素濃度では、人間は簡単に意識を失い絶命してしまうのだ。世界的な高山の頂上で、手を挙げている登山家の写真は、普段から高所訓練をしているからこそ為せるのであって、普通の人間は命すら保つことができないのである。